
圧縮成形について
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圧縮成形ってなに?
加熱された金型内にプリフォーム(予備成形体)や粉末状の樹脂を置き、圧力と熱で成形する方法です
主に熱硬化性樹脂や一部の熱可塑性材料に使用され、高い強度と寸法安定性を求められる製品に適しています
射出成形に比べて材料の無駄が少なく、厚みのある部品の製造に適しているという特徴があります
圧縮成形の工程
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材料準備
金型加熱
材料配置
圧縮・成形
冷却・硬化
取り出し


圧縮成形の特徴

メリット
厚肉・高強度な成形が可能:繊維の配向が制御しやすく、剛性・耐衝撃性の高い製品ができます
寸法安定性が高い:金型内で均一に圧力がかかるため、歪みや反りが起こりにくい
材料ロスが少ない:ランナーが不要なため、使用材料がほぼそのまま製品になります
繊維強化樹脂との相性〇:複合材を使用し、高強度・軽量な製品に仕上げることができます
デメリット
複雑な形状の成形に不向き:細かいディテールの再現は射出成形ほど得意ではないです
成形サイクルが長い:熱硬化性樹脂は硬化時間が必要なため、射出成形に比べて成形時間が長く
なりやすい
量産性にやや劣る:自動化や高速成形との相性は限定的で中量〜中大型部品向けになりやすい
金型の初期設計が重要:圧力分布や材料の置き方が仕上がりに影響するため、設計と調整に
熟練が必要です


圧縮成形品の主な用途

自動車
(例:ダッシュボード)
電子機器部品
(例:絶縁カバー、コネクター)

日用品
(例:メラミン食器、まな板)
医療
(例:歯科用器具、検体搬送トレー)



圧縮成形に使用する代表的な材料
MF
表面硬度が高く、耐摩耗性に優れる
【主要用途】
メラミン食器、コンセント外装
PF
電気絶縁性が非常に高い
【主要用途】
電気部品、自動車部品
UF
成形性しやすく、コストが低い
【主要用途】
電気部品、文具
EP
機械強度と耐薬品性に優れる
【主要用途】
高性能電子部品、機械部品

メラミン樹脂
フェノール樹脂
ユリア樹脂
エポキシ樹脂



圧縮成形を支える主な技術紹介
SMC成形(シートモールディングコンパウンド成形)
ガラス繊維で補強された熱硬化性樹脂のシート状材料を所定の形状に切り出して、
金型にセットして高温高圧で圧縮成形をする技術です
ガラス繊維が均一に分散され、剛性と耐衝撃性に優れています
寸法安定性と耐熱性が高いです
シート状の材料のため、大面積成形が可能です
特徴
自動車部品(ボンネット、トランクパネル、EVバッテリーボックスなど)
産業機器の外装カバー・電装部品
電力機器の絶縁ケース、配電盤カバー など
主な用途
BMC成形(バルクモールディングコンパウンド成形)
ガラス繊維・充填材・硬化剤などを混ぜたペースト状の熱硬化性樹脂材料を金型に充填して、
圧力と熱で硬化させて成形する技術です
高粘度で流動性があり、細かい形状にも対応できます
優れた電気絶縁性と機械強度を持たせることができます
硬化時間が短く、量産に適しています
特徴
電子部品(ブレーカーケース、コネクタ、スイッチ部品)
医療・計測機器の筐体
モーター部品、ファンブレード、絶縁部材 など
主な用途